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習慣に勝る戦術なし。

2023.12.18

自分がどんな努力をしているのか、ということは人にはあまり話さない。不言実行の方がスマートだし、「才能だけでやっています」の方がカッコいいと思うから。でも、正直、僕のこれまでの人生は真逆だ。才能だけでやれたことなど一つもない。そもそも器用なタイプでもない。E難度の華麗な大技をやるのではなく、コツコツ地道に良い習慣を続ける。ただそれだけをやってきた半生だったと思う。

地道に積み重ねる。積み重ねることで勝つ。陸上部で長距離選手だったことも関係しているかもしれない。中学1年で陸上に出会うまでは全然違う人生だった。悪いことをして、校長室に呼ばれたこともあった。呼び出された親も僕のことをひどく心配した。陸上と出会ったのは、そんな僕の黒歴史時代の真っ只中だ。指導してくれたのは、県内で実績のある名監督。何か秀でた才能があるわけではない田舎の中学生たちをどうやって勝たせるのか。先生の指導は人生の大きな転機になった。

練習は嘘をつかない。サボったらサボった分だけ、本番のパフォーマンスが落ちる。その逆は、また違う。頑張っても成果が出ないこともある。でも、頑張らないことには、上に上がるチャンスはやってこないのだ。監督の教えは、田舎の中学生でも納得できるシンプルな理論だった。みんな頑張った。弱小チームがどんどん強くなっていく。駆け上がっていくのが面白くて、ますます練習にのめり込んだ。弱小チームは気づけば県内有数の強豪校になっていた。

ドバイに住み始めて今日で600日になる。いろんな人に出会った。自分よりも賢い人、知識や教養がある人、語学が得意な人、感性が豊かな人、何かスペシャルな魅力のある人。スペシャルな才能に溢れる人がたくさんいる。正直、コンプレックスを感じることもある。そんな時は、なぜ自分がドバイに来たのか、という原点に立ち戻る。そうだ、成長するためだ。昨日の自分に勝つためだ。未熟な自分を知ることは、チャンスであり、伸びしろだと考える。ヘコんでいる暇があったら、自分を高めるための行動に全力を注ぐ。

これは僕のチャレンジカレンダーだ。ウォーキング、ジム、語学、体重管理…etc 自分がやるべき項目に年間目標をたてて、月次ごとの目標に落とし、1日にこなすべきタスクを決めて毎日取り組んでいる。達成できたらシールを貼る。シールでビッシリになっているということは、たくさん努力した証。努力が目に見えると嬉しい。ますます頑張ろうと思う。このルーチンを僕は何年も続けている。そして、着々と成果が出ている。

もちろん、人間だからゆるみたい時もある。たとえば、夏休み。家族みんなで旅行に行って、友人たちに会う機会も多いので、いつもよりお酒も飲むし運動もできない。そんな時は、前の月に余分に頑張っておく。貯金ができると、夏休みも気にせず思いっきり遊ぶことができる。借金ができるとあとが辛い。1日さぼると、翌日に2倍やらなければいけないからだ。巻き返しが大変だ。マイナスになるとモチベーションも下がる。だから僕は借金しない。無借金経営がモットーだ。2023年もあと少しだけど、今年も達成ペースに乗っている。気分よく美味しいお酒が飲めそうだ。

三島由紀夫の小説『美徳のよろめき』の中に、こんな一文がある。

「精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ」

やるか、やらないか。頑張るか、頑張らないか。成長するか、しないか。僕たちは、日々選択して生きている。やる理由よりも、やらない理由の方に流れてしまう。頑張ることよりも、頑張らないという安易な選択肢に流されてしまう。その方が、楽だから。流され続けていると、あっという間に人生は終わってしまうような気がする。ドバイに来て、日本のいた頃の自分を客観視する。日本の未来を考える。挑戦への気概はどうか。井の中の蛙になっていないか。競争の中で勝っていけるだろうか。危機感を感じる。そんな時は動く。カレンダーの内容に取り組む。いつも通りに、やるべきことをやる。今日という日を生きる。それが、僕の戦い方です。

真武 大喜