BLOG創業者ブログ

子どものために、できること。

2024.02.23

ドバイに移住した理由の一つに、子どもの教育環境がある。今の子どもたちは、親である僕たちとは違う時代を生きる。この10〜20年でも人間に求められる仕事がずいぶん変わったと思うが、今の子どもたちが働き始める10〜20年後にはもっと変わるだろう。どんな能力を身につけて、どう生きていくのだろうか。

僕には二人の娘がいる。長女は11歳、日本の学年なら小学5年生。夢中になっていることは、You Tube動画作成とチャンネル運営だ。自分で企画を考えて、動画を作って、編集して、アップする。最近チャンネル登録数が2万人になったという。詳しくない僕には数字も内容もまったくピンとこないのだけど、もし収益を出せるほどになったらすごいことだなと思う。娘ははじめて自分の力で稼ぐことができたら、ご褒美として自分の部屋が欲しいと言ってきた。子どもというものは、欲しいもののためなら交渉上手だ。引越しも考えなければいけなくなるため、親としてはそれなりの出費を覚悟しなければならない…

子どものことで「ドバイに来てよかった」と思うことが三つある。一つ目は、言語と多様性を学ぶことができること。二つ目はまわりの目や空気を気にしすぎることなく、チャレンジできること。三つ目は自立心が芽生えて逞しくなったこと。まだ2年間ではあるが、今思うことを書きたいと思う。

一つ目の「言語と多様性を学ぶことができる」について。この点で言うと、ドバイはとても恵まれている。英語はインターナショナルスクールに通えば日本でも習得できるので問題ないだろうが、多様性というところはなかなか難しい。娘の通う学校には、約100カ国の国籍の子どもがいるらしい。言語も、文化も、宗教も違う。知識だけじゃない。その知識の奥に何かがあるのか、というところも理解しているように思う。たとえば、中指を立てる行為は日本だと「不良がやること」くらいの認識かもしれないが、娘はそれがいかに危険なことなのかよくわかっている。だから、そのような行為をしている人を見かけるとひどくショックを受ける。ただのポーズだとは思っていないのだ。知らない人が何語を話しているのか理解して、ありがとうとか、バイバイとか、彼女なりにコミュニケーションを取ろうとしているところを見ると成長を感じる。子どもの吸収力は本当にすごい。家族で一番語学力がないのが僕なので、もっと頑張らなければいけないとも思う…

次に二つ目の「まわりの目や空気を気にしすぎることなく、チャレンジできる」について。You Tubeアカウントを運営していると、誹謗中傷などネガティブなコメントを書き込まれることもある。ショックを受けるかと思いきや、娘は平気な様子。注目されればされるほど、アンチも増えることを知っている。人は人、自分は自分だと思っている。You Tubeアカウント運営は日本にいてもできることだが、周囲を気にしすぎたり萎縮することがまったくないのは、ドバイに来たことも影響していると思っている。

三つ目の「自立心が芽生えて逞しくなった」について。実はドバイに来る前に一番心配していたことは、娘たちが学校に馴染むかどうか、ということだった。ところが、大人よりも子どものほうが順応して、すぐさま馴染んだ。友達もいない知らない土地にきて寂しさもあったと思うが、好奇心も弾んだように思う。家族や、生まれた国へのリスペクトの気持ちを持っていることも、なんだか嬉しいことだ。僕は日本人だが、妻は韓国人なので、娘は日本と韓国の両方にリスペクトの気持ちを持っている。社会に出ると、いろんな競争にさらされる。勝つことは大事なことだ。でも、その前に相手へのリスペクトや愛があってこそだと思う。生まれた国、目の色、肌の色。人間にはいろんな違いがある。違いを知って認めるからこそ、自分のことも好きになれるのではないかと思う。これからの子どもたちの成長が楽しみだ。大人もうかうかしていられない。父も頑張ります。

真武 大喜